子どもたちに語るヨーロッパ史
1冊読了。
フランス人の歴史家がフランスの子どもたち対象に書いた、ヨーロッパ史入門篇です。
ホントにダイジェストなんだけど、さらっとおさらいするにはちょうど良い感じでわかりやすかった。
しかしこの中でショックだったのは第二次世界大戦の部分に、日本の表記が全くなかったこと。
第二次世界大戦は(第一次世界大戦もだけれど)ヨーロッパで起こり、アメリカの参戦によってまずイタリア、そしてドイツが降伏して終了した戦争だという認識なの。
そこには三国同盟で関わっていた日本なんて、陰も形も無い。
あの戦争で、日本はアメリカとだけ戦っていたんだ。
あれはやっぱり第二次世界大戦じゃなくて、太平洋戦争なんだ、ってこのわずかな文章の中で強く思いましたよ。
日本がヨーロッパ人に認識されたのは、やっぱり戦後の自動車の輸出から。
ジャパンマネーが世界を席巻し、日本人がヨーロッパにどんどん旅行に行き、ブランド品を買いあさり「なんだこいつら???」と思われたところから、ヨーロッパは日本を認識したんだ。
それが数十年後、経済状況はいつのまにか尻すぼみになり、どうやら中国人に比べたら我を押し通すことがない民族だと思われ、強烈なインパクトがなくなった今では、イタリアでもドイツでも「日本人だ」とわかれば、イヤな思いはあまりしませんがね。
でも考えてみたら当たり前よね、日本はヨーロッパとは戦争してないだもん。
そりゃアメリカで、いろいろレイシストに差別を受けるのとは違うんだわ。
「認識されていない国」だったんだから。
日本人としての立ち位置をちょい考えてしまう項でしたよ。