受験顛末記

これはミラノ生活とは関係ありませんが、子供を連れて海外へ赴任し、高校受験をさせた者としての、顛末記です。
もし将来高校受験というキーワードで検索されて、この記事にいらっしゃった方のため、多少情報を落としておくのが、先にやったものの努めだと思うので。


キーポイント 学校選び

まず、ワタクシ達は子供だけ日本に本帰国させる、という方法を選びました。
なので学校は 寮がある ことが大前提。
後になってみれば、そこに落とし穴があったとも言えますが……

日本で一番日本国籍の帰国子女を受け入れ、かつ寮がある共学の学校は、京都の同志社国際です。
うちはここも受けましたが、もう1校立命館宇治も受験しました。

ヨーロッパに住んでいるものとしては、できれば受験は近隣諸国でやりたい。
同志社国際は単願で特別推薦という方法であれば、ロンドンで受験し、100%合格します。
関西に基盤がある方ならば、絶対お得だと思います。
ただ併願ならば、京都での受験のみとなります。
立命館宇治は併願でもロンドンで受験できます。
この2校は12月までに決まるため、親としては一安心、です。

ただ我が家は関東に帰るため、できれば東京、埼玉の高校に進学して欲しい。
そして高校生活で部活を満喫するためには、大学付属の高校でないと難しいという現実。
そこに加わる 寮必須という条件。

最初はICUを考えました。
でもここは寮があるとはいえ、土日は閉寮!(何のための寮?!)
さよーならーと候補から消え、残るは早稲田大学本庄高等学院。
本当にココだけだったんです。
ココしかなかったんです。

当初のムスコの成績ではちょっと難しいレベルだったのですが、彼のポテンシャルはあると見込み、冬は日本に帰して、塾の直前講習会に放り込み、約2ヶ月合宿。
1日10時間以上勉強してたらしい。
おかげさまでぐんぐん伸びて行き、受験前日では塾からは「大丈夫でしょう」との太鼓判をいただくところまでは来ました。

でも、ダメでした。

原因はケアレスミスの連発。
もうどうしようもない、本人のミスです。
そのケアレスミス込みが本人の実力だということは、受験をやってきた人間としてはよくわかりますがね。
ただ、どうしても関東の学校に行かせたいのであれば、他も受ければよかったんですよ。
そんな当然なこと、それがミラノにいたら分かりませんでした。

日本で早慶の付属を狙うのならば、5校全部受けるのが 普通 なんだそう。
5校受ければケアレスミスしないで、実力発揮できるところも出てくる。
それを知ったのは、もうワタクシが日本に帰ってきてからでした。

もっと前から親が日本にいれば、きっと塾の先生が「5校全部に出願しましょう」と言ってくれたでしょうが、中学校の先生にそれを求めるのは無茶な話。
そして日本←→イタリアの郵便事情を考えれば、12月にばたばたと願書を取り寄せ、内申書を書いて、なんてことも無茶な話。

でも一発勝負はやっぱりあまりにも危険でした。

もし、今後同じように子供を関東に帰したい、早慶の付属に入れたいとお考えの方がおられましたら、これは絶対です。

早稲田本庄・早稲田高等学院・早稲田実業・慶応義塾・慶応志木

は全て願書を取り寄せて、内申書を書いてもらい、出願するべきです。
(女子ならば4校)
(慶応湘南藤沢は、帰国枠では英語がネイティブレベルじゃないとお話しにならない)
ここにものすごい体力もお金も必要となるとは思いますが(家族が東京に住んでいれば別ですが)、ワタクシの最大の後悔はこれにつきます。
全部受けていれば、どこかにはひっかかったかもしれない。
逆に言えば、この全てに落ちたら、それはそれで納得出来る。
親も子供も納得出来る。

寮はないかもしれません。
でも寮無しでも通学は可能です。
3年間親が帰国しないとなればそれもどうかと思いますが、JOBAの寮から高校に通うことは全く無理ではありません。

寮が無いから、の理由だけでその可能性に目を瞑ってしまった自分が本当に情けない。

ムスコに「全部受けさせてあげれなくてごめん」と謝ったところ、彼は「2ヶ月前だったら、いろいろ理由つけて、ココはイヤだココはイヤだと言ってたはずだから、いいよ」と言いますが、「でも今なら出しとけばよかった、って思うでしょ?」には頷きましたね。
子供が嫌がろうが、親としては出すべきだったんですよ。
そしてそれは海外赴任中の母親として当然の義務だったんだ、と痛感しています。

うちのムスコはひきずらないタイプなので、今はもう開き直って、次の高校生活のことを考えていますが、ワタクシの方がなかなかキツいですな。

海外からの受験は、情報収集力の差が物を言います。
餅は餅屋。
塾の先生にはどんどん相談して、情報を得て下さい。

来年同じようなことで泣く子供がひとりでも減りますように。
by kyokokyoko0504 | 2012-02-14 02:16 | 日本